2016年07月16日

住宅ローン賢い「借り方、返し方」 その4

余裕のある年だけボーナスで繰上げ返済する

返済計画を立てる際、最初からボーナス返済を利用するプランも考えられます。
しかし、長い返済期間の中では、必ずしも予定どおりのボーナスが出るとは限りません。

返済に余裕を持つためには、ボーナスでの返済まで勘定に入れて多額のローンを組むのではなく、毎月の収入で返済できる範囲内のローンを組み、ボーナスに余裕のある時に繰上げ返済をすることを考えましょう。


2本のローンがある時の繰上げ返済の考え方は?

住宅ローンの返済金利を考えた時、「変動金利」と「固定金利」の2本でローンを組むことがあります。このようなケースでは、将来低金利が続いている場合は固定金利から、金利が上昇している場合は、変動金利から繰上げ返済をしていくということも可能です。

このような金利上昇リスクを考えた場合、変動金利のローンから繰上げ返済をするのが良いでしょう。また、ローン管理の手間も考えた場合、複数のローンがある時は、どちらかを集中的に返済し、早くローンの数を減らす方が良いとも言えます。管理の手間を省くことも大きなメリットになります。

住宅ローン控除が受けられなくなる場合もある

返済期間の短いローンの場合、早めの完済を目指して繰上げ返済を急ぎすぎると、せっかくの住宅ローン控除を受け損ねることがあります。借入れ日から最終返済日までの期間が10年未満になると、その後の住宅ローン控除が受けられなくなります。ご注意ください。

繰上げ返済の条件は様々、コストの低いものを活用!

住宅ローンを組む際は、金利や保証料など検討すべき内容が多くあります。繰上げ返済の手数料が無料であれば、将来必要な資金を残した上で、余裕資金ができるたびに返済していくことができます。

一方、返済手数料が2万円、3万円と必要な場合、100万円程度のまとまったお金が出来てから返済しないと、手数料だけで相当な金額になってしまいます。フラット35では、繰上げ返済手数料は無料ですが、最低額は100万円からとなっているため、まとまったお金を用意からでないと、繰上げ返済はできません。

一定期間返済額を増額・減額できるケース
繰上げ返済と同様に効果を出せる方法として、「条件変更」があります。毎月の返済額を増額したり、元利均等返済と元金均等返済の変更、毎月返済とボーナス併用返済の変更などができます。

毎月の返済額を増やせば、こまめな繰上げ返済と同様の効果を得ることができます。これによって、返済期間を短縮して総返済金額を減らすことができます。

また、繰上げ返済の手続きを行う手間も不要です。一方、住宅ローンの支払いが苦しくなった時は、早めに窓口に相談しましょう。一定期間、毎月の返済額を減らしたり、借入期間を延ばしたりして、延滞を避ける返済計画の変更を行ってくれる場合があります。その場合、審査が必要となりますので、条件などは窓口で相談してください。

借り換えを利用する

時代の変化、景気によって金利は変動します。もし、住宅ローンを組んだ時の金利より、現時点の金利が低くなっていれば返済金額を減らす方法があります。それは「借り換え」です。

「借り換え」とは、今借りている住宅ローンを一括返済する方法のことです。「借り換え」は、最初に借りた時よりも現時点での市場金利が下がっている時に最も効果を発揮します。住宅ローンの適用金利が下がった分、毎月の返済額が下がるからです。毎月の返済額が下がるということは、総返済金額も下がるということです。

毎月の返済額が高くて支払いが苦しい人にとっては、ピンチを乗り切る良い方法です。多くの人が、金利が低くなる(返済額が小さくなる)という理由で住宅ローンの借り換えをしています。


借り換えの仕組み

住宅ローンを新しいものに借り換えたいと思っても、今、借入れしている金融機関で借換えを実行することは原則できません。他の銀行で、今の住宅ローンの残高を借入して、そのお金をもって、今借入れている住宅ローンを完済することで、住宅ローンの借換えが行われます。

住宅ローンの借換えは、新しく住宅ローンを借入れする時と手順はほとんど同じです。ですから、当然審査もあり、年収や健康状態、そして住宅の担保価値などが問われます。書類は申込書の他に、年収を証明するものや、物件の謄本などの必要書類を取り揃える必要があります。

また、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)と銀行ローンなど複数の住宅ローンを借入れしていた場合には、原則、両方合わせて借換えをしなくてはなりません。どちらか1つだけを借換えすることはできません。

■ 借り換えの際の諸経費
ここでの大きな注意点としては、住宅ローンを借換えする際に、諸経費が掛かるということです。これは、新規の住宅ローンの借入の時と同じく、保証料、事務手数料などの他、抵当権の付け替えも行いますので登記費用も必要となります。

一時的にまとまった金額が必要となりますが、この諸費用分も含めて借換えをすることも可能です。

諸経費もバカにできない金額になってくるため、借り換えで得られる返済額の削減金額と必要になる諸経費を計算した上で、削減金額が上回った場合にのみ借り換えを実行しましょう。

■ 担保価値の値下がり
また、借り換えの際に問題となるのが住宅の担保価値の値下がりです。新規で住宅ローンを借りる際は、その住宅が担保となり、審査が通るわけですが、新規で借入れた時よりも担保価値が値下がりしていると、必要な額まで借りられないケースもでてきてしまいます。

ただ、金融機関の審査次第で、多少、自宅の担保価値が値下がりしていても審査OKとなるところもあるため、1つや2つの金融機関に断られたとしても、忍耐強く情報収集することをおすすめします。

■ 借り換えをするといいタイプ

その1:住宅ローンの残高が1000万円以上

その2:返済期間が10年以上残っている

その3:借り換え前と後の金利差が0.5~1.0%以上ある

上記3つのどれかに当てはまる人は借り換えを選択しても良いかもしれません。

■ 借り換えにかかる主な諸経費とは
借り換えをする時に注意が必要なのは、諸経費です。主に次の諸経費が掛かると予測しておいてください。

■ 借り換える時の金利の選び方

借り換えは、借り換えする目的によって、どの金融機関のどんな金利タイプを利用するのかが違ってきます。そのタイプは、大きく分けて3つのタイプに分かれます。

その1:とにかく毎月の返済額を減らしたい

借り換え時点で、一番安い金利タイプのローンに借り換えます。
今なら、変動金利型や、キャンペーンで割安の固定期間選択型を選ぶことになります。

その2:変動金利から固定金利に切り替える

金利の変動によって、返済額が変わるタイプのローンを借りている人が、全期間固定金利型に借り換えるパターン。金利上昇で返済額が上がるのを避けるために選びます。

その3:フラット35に借り換える

フラット35の最大のメリットは全期間固定金利型で、完済までの返済額が一定ということです。そして、もう一つの隠れたメリットは保証料が無料であること。つまり経費が割安です。フラット35の場合、最安金利ということはありませんが、諸費用が抑えられるため、割安に借り換えが出来ます。

借り換えの流れ

1:借り換え先の住宅ローンを比較検討し、メリットをシミュレーションする

まずは住宅ローン借り換えで、借り換える先の銀行の住宅ローンを選びましょう。選ぶ過程で、借り換えメリットをシミュレーションしながら、どの銀行の住宅ローンを選べば良いのかを比較検討します。

2:借り換え先の住宅ローンを決定

借り換え先の住宅ローンを決定します。注意が必要なのは、固定金利から変動金利への借り換えです。この場合、金利上昇リスクも出てきてしまうことに注意が必要です。

3:借り換え先の住宅ローンへ申込み

借り換え先の住宅ローンへ申込みを行います。この時点では現在借入している銀行へのコンタクトは一切しないことに注意が必要です。余計な情報を入れると、引き留めにあってしまうため、面倒なことになります。

4:借り換え先の住宅ローンで審査が下りたら、現在借入をしている銀行へ

一括返済の申出

借り換え先の住宅ローンの審査が通ったら、はじめて、現在借り入れをしている銀行へ一括返済の申し出をします。

5:借り換え先の銀行と契約締結

新規で住宅ローンを借りた時と同じように契約を締結します。

6:借り換え先の銀行から融資を受ける

→そのまま現在借入中の銀行へ一括返済する
契約が締結されれば、借り換え先の銀行から融資が実行されます。同日中に現在借入中の銀行へ一括返済を行います。これで現在の住宅ローンの完済が完了します。

7:現在借入中の銀行の抵当権を抹消し、借り換え先の銀行の抵当権を

設定する
銀行が指定した司法書士が抵当権の抹消手続き、新規設定手続きを行います。
※抵当権とは住宅ローンなどでお金を借りたときに、家と土地をその借金の担保として確保 しておくためのものです。 わかりやすくいえば、住宅ローンの支払いができなくなったとき は、その家と土地を銀行が取り上げますよ、と契約できる権利のことです。

8:住宅ローンの借り換えが完了

基本的にはこのような流れで、住宅ローンの借り換えを行いますが、銀行によって多少順序 が逆転することなどがあります。しかし、ほとんどは借り換え先の銀行の担当者が詳細の手 順を教えてくれるため、その流れに従って行えば問題はありません。

注意しなければならないのは、相談すべきは、借り換え先の銀行の担当者であって、現在借入中の銀行の担当者ではないということです。銀行にとっては、借り換えで完済されてしまうというのは、今後の収益がなくなることを意味しているため、現在借入中の銀行の担当者は、なんとか引き留めようとしてくるのです。

無用な手間が増えてしまうため、現在借入中の銀行の担当者には、一括返済の申出のタイミングまでは借り換えを検討していることを知られない方が良いのです。

■ 住宅ローンの借り換えは何度でもできる?

住宅ローンの借り換えは、一人何回までできるのでしょうか? ここでは住宅ローンの借り換え回数について解説します。結論を言うと、住宅ローンの借り換えは何度でもできます。

正確にいえば、審査が通る限り住宅ローンを提供する金融機関の数だけ借り換えができることになります。住宅ローンの借り換えは、あくまでも他の銀行から借りて、一括で繰上げ返済をするため、住宅ローンの債務がある銀行から、ある銀行へ移行するという内容のものなので、借り換えを制限したりできる性質のものでもないのです。

■ 何度も、住宅ローンの借り換えをするメリット

メリットはあります。例えば、30年ローンを組んでいて、当初10年固定金利タイプの住宅ローンを利用していれば、10年が終わるごとに住宅ローンの借り換えをすることによって、当初の優遇金利を続けることも可能です。ただし、あくまでも住宅ローン借り換えの審査に通ればという条件付きです。返済年数が減るとともに、住宅ローン借り換えの審査も通りにくくなるのです。

■ 何度も、住宅ローンの借り換えをするデメリット

デメリットもあります。借り換えのたびに、事務手数料や保証料などの諸経費が掛かってしまうためです。保証料は一括前払い方式を選択している場合は、多少は戻ってくる可能性がありますが、「多少」ですから、期待するのはやめましょう。

この諸費用分を計算しても、借り換えメリットがある場合は、住宅ローンの借り換えは何度行っても、メリットが出る可能性があるのです。

■ 借り換えの注意点

借り換えにも審査があります。残念ながら借り換えできないケースもあります。

1)公的住宅ローンへの借り換えはできない

財形住宅貯蓄への借り換えはできません。フラット35は借り換えが可能です。

2)健康状態が悪化していると、借り換えはできない

民間ローンではローン契約者に団体信用生命保険(団信)への加入を義務づけているのが一般的です。したがって借り換え時の健康状態によっては、団信へ加入できないために、借り換えができないこともあります。団信に加入できなくても利用できるフラット35は健康状態が悪化していても借り換え利用が可能です。

3)返済負担率が増えている場合も、借り換えの審査が通りにくい

審査の基準は、まず、借り換え後の住宅ローンの返済負担率が、基準をオーバーしていないかがチェックされます。

この時気を付けたいのが、マイホーム購入後に自動車や教育資金などで別のローンを借りた場合です。返済負担率は、現在返済中の他のローンも加味して計算されるので、基準を超えてしまう可能性があるのです。

4)現在の住宅ローンを滞納してしまっている場合

過去に住宅ローンの滞納歴がある人も、借り換えの審査は厳しくなります。

5)物件の価値が著しく落ちている場合

担保となるマイホームの価値も重要です。購入時よりもマイホームの価値が大幅に下がった場合には、差額を現金で補てんしないと、担保価値割れによって、借り替えることができなくなる場合があります。

住宅ローン控除(減税)を利用する

正式名称は「住宅借入金等特別控除」といいます。一般的には「住宅ローン控除」と呼ばれています。借り入れした住宅ローンの年末時点の残高の1%分、その年に支払った所得税の還付を受けられたり、来年支払う住民税が減ったりする制度です。年末というのは12月末のことです。

控除を受けられるのは現在10年間が最長です。なので、わかりやすく言うと住宅ローンを支払い始めてから10年間は所得税や住民税が安くなる制度だと覚えておけばいいでしょう。また、新築や中古物件の購入だけではなく、リフォームをした場合にも一定の条件を満たせば住宅ローン控除の対象になります。

ただ、マイホームを購入したり、リフォームをして住宅ローンやリフォームローンを借りれば全部が全部、住宅ローン控除の対象になるのかというと、そうではありません。では、どんな住宅ローンが対象になって、どういう住宅ローンだと対象にならないのかをご紹介します。

消費税率の引き上げは、平成26年4月に8%に上がりました。住宅ローン減税は、平成26年4月から平成31年6月まで同じ拡充内容となっています。

■ 住宅ローン控除対象

住宅ローン控除の対象になる住宅ローンは、一般的な銀行で借りる住宅ローンやフラット35などの住宅ローンです。普通に、金融機関と呼ばれるところから住宅ローンを借りれば、問題なく住宅ローン控除の対象になります(物件などの条件は満たしているものとする)。

■ 住宅ローン控除対象外

住宅ローン控除の対象にならないのは、一般的な金融機関から借りたものではない住宅ローンです。例えば、親や親族から借りた住宅ローンなどは対象になりません。他にも職場の従業員向けの貸付なども対象にはならないです。

そのため、親や親族、もしくは職場から住宅ローンとしてお金を借りて家を建てる場合は、住宅ローン控除は受けられないので、受けられなくなる住宅ローン控除の金額と、支払わなくて良くなる住宅ローンの利息を計算して、どちらが有利になるのか計算して決断しましょう。

■ 住宅ローン控除を受けるための条件

住宅ローン控除を受けるためにも条件があります。その条件をまとめました。

合計所得金額3,000万円以下
所得なので年収ではありません。年収から各種控除を引いた後の額が3,000万円以下である必要があります。

住宅ローンを10年以上借りること
バリアフリー改修促進税制、省エネ改修促進税制の場合は5年以上です。

新築する、購入する床面積が50㎡以上
増改築、その他の場合は50㎡以上必要です

住宅ローンの借り主が自分で住むこと
自分以外の誰かが住む、例えば子どもや親が住む家を、自分名義の住宅ローンで借りる場合は対象になりません。

中古住宅の場合は、耐震性能を有していること
木造などの耐火建築物以外の場合は築20年以内。鉄筋コンクリートなどの耐火建築物は築25年以内。

リフォームの場合、増改築費用が100万円以上であること
これらの条件をみたすことで、住宅ローン控除を受けることが出来ます。自分が住むために注文住宅を建てたり建売を買う場合は、問題なく住宅ローン控除の対象になると思いますので、ここはあまり気にしなくてもいいでしょう。

■ 住宅ローン控除の控除率

現在、住宅ローンの控除率は一律で1%になっています(特定増改築等の場合は2%)。つまり、12月末時点での残高の1%の金額分、所得税と住民税が還ってくるということです。

■ 住宅ローン控除でいくら所得税と住民税が返ってくるのかを計算する方法

年末の住宅ローン残高を計算する
住宅ローン控除の金額は、住宅ローンの年末残高に1%をかけて計算します。そのため、まずは住宅ローンの年末残高を計算しましょう。

■ 住宅ローン減税を受けるための条件

1.住宅取得後6カ月以内に入居し、引き続き住んでいること
2.家屋の床面積(登記面積)が50平方メートル以上であること
3.床面積の2分の1以上が自己の居住用として使われていること
4.控除を受ける年の所得金額が3,000万円以下であること
5.民間の金融機関や住宅金融支援機構などの住宅ローン等を利用していること
6.住宅ローン等の返済期間が10年以上で、分割して返済していること
7.中古住宅の場合は「耐震基準を満たしている」、または築年数が一定年数以下であること(取得時時点で耐火建築物以外の場合築20年以内、マンションの場合築25年以内)であること

■ 住宅ローン控除シミュレーター

住宅ローン控除のシミュレーションが出来るホームページもありますので、ご紹介します。

スマイティ 不動産住宅情報サイト
http://sumaity.com/mansion_new/loan/kouzyoSim/

お問合せフォーム